その日は、外に出なかった
その日は、外に出なかった。
特別な理由があったわけじゃない。
用事がなかっただけで、
家の中で一日が終わった。
子どもと過ごして、
家のことをして、
気づいたら夜になっていた。
やることは、いつも通りだった
洗濯をして、
ごはんを作って、
声をかけて。
何もしていなかったわけじゃない。
むしろ、やることは一通りやっていた。
それでも、
夜になると、なんとなく疲れていた。
家族以外と関わらないまま、一日が終わる
あとから気づいた。
その日は、
家族以外と、誰とも関わっていなかった。
会話も、
やりとりも、
家の中だけ。
外の世界と、
少し距離ができていた。
世界が、少し小さく感じる
家の中にいると、
目に入るものはだいたい決まっている。
同じ部屋、
同じ音、
同じ流れ。
変わり映えしないはずなのに、
なぜか息が詰まる感じがした。
しんどさは、出来事じゃなかった
その日のしんどさは、
何か嫌なことがあったからじゃない。
外と関わらないまま、
一日が終わったこと。
それだけだった。
少し外に触れるだけで、違う日になる
別の日、
特に用事はなかったけど、少し外に出た。
玄関を出て、
空気を吸って、
数分歩いた。
それだけで、
前の日より少し楽だった。
何かが解決したわけじゃない。
ただ、世界と少しつながっただけだった。

